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アレルギー性鼻炎/花粉症|京都市山科区 住田内科クリニック |アレルゲン免疫療法・薬物治療

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アレルギー性鼻炎/花粉症

アレルギー性鼻炎は鼻粘膜のⅠ型アレルギー性疾患で、原則的には発作性反復性のくしゃみ、(水様性)鼻漏、鼻閉を3主徴とします。発作の反復により、重症化・遷延化・慢性化を来します。完全に治すことが難しい疾患です。したがって、長い付き合いになることが多いことから、自分の病気を良く知って、治療と予防にあたることが重要です。
なお病名として、鼻過敏症、鼻アレルギー、アレルギー性鼻炎、さらに花粉症などが用いられます。

どのようなタイプがあるのか?

1:季節性アレルギー、花粉症

原因となる花粉の飛ぶ季節だけに症状があります。花粉症は花粉抗原による季節性アレルギー性鼻炎なので、鼻症状の他に眼の症状(かゆみ、涙、充血)を伴うことが多く(アレルギー性結膜炎を高頻度に合併)、喉のかゆみ、皮膚のかゆみ、下痢、熱っぽいなどの症状が現れることがあります。

代表的なアレルゲン(花粉)

(春~初夏)スギ、ヒノキ科、イネ科

(晩夏~秋)イネ科、キク科(ブタクサ属・ヨモギ属)

2:通年性アレルギー

抗原がほぼ1年中存在するので、症状も強弱はありますが1年を通して自覚することが多いです。
気管支喘息やアトピー性皮膚炎などに合併することがあります。

代表的なアレルゲン

ダニ、家の中のちり(室内塵、ハウスダスト)、ペットの毛(特にネコ、イヌなど)、昆虫(ガ、ゴキブリ、ユスリカなど)、カビ

アレルギー性鼻炎の予防方法

1:抗原の除去

抗原量を減らすことは、治療の第一歩で、患者さんにしかできないことです

2:花粉の回避

花粉情報に注意してください。
飛散の多い日は、外出を控え、窓・戸を閉めてください。換気時の窓は小さく開け、短時間にとどめて下さい。
飛散の多い日のふとんや洗濯物の外干しは避け、マスク・メガネを着用して下さい。
帰宅時、衣服や髪をよく払い入室して下さい。また、洗顔、うがいをし、鼻をかんで下さい。

3:室内の掃除

室内の掃除は、掃除機をゆっくり動かし、1畳あたり30秒以上の時間をかけ、週に2回以上掃除してください。
布張りのソファー、カーペット、畳はできるだけやめましょう。
部屋の湿度を50%、室温を20~25℃に保つよう努力して下さい。

4:ペット

できれば飼育をやめて下さい。屋外で飼い、寝室に入れないで下さい。できれば床のカーペットをやめ、フローリングにして下さい。通気を良くして、掃除を励行して下さい。

アレルギー性鼻炎の治療方法

飛散前から薬を飲みましょう!

初期療法とは、花粉が飛散する1~2週間前から薬を飲むことです。症状を軽くしたり、症状発現を遅らせたり、症状終了を早めたりする効果があります。結果的に薬の量や使用回数を減らすこともできます。
スギ花粉症の重症例では、軽症例に比べて症状が強いばかりではなく症状発現も早いです。過敏性の亢進が初観測日直後から、しかも高度に起こることが重症例であるので、花粉飛散量に加えて過敏性亢進も高度化する要因になります。一方、過敏性亢進が起こり難いのが軽症例です。したがって、重症例では初期療法の必要性は高いのです

1:薬物治療

まず、鼻炎3大症状である「くしゃみ」「鼻みず」「鼻づまり」の中で、一番ひどい症状にあわせて薬の使い分けを行います。さらに1種類の薬で症状が抑えられない状態では同じ薬を倍にするのではなく、別の薬を組み合わせて使用します。

1.ケミカルメディエーター遊離抑制薬(経口薬、鼻噴霧薬)
2.ケミカルメディエーター受容体拮抗薬(経口薬、鼻噴霧薬)

a) 抗ヒスタミン薬(経口薬)
b) ロイコトルエン受容体拮抗薬(経口薬)
c) プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2受容体拮抗薬

3.Th2サイトカイン阻害薬
4.ステロイド薬(経口薬、鼻噴霧薬)
5.点鼻用血管収縮薬(鼻閉に対しての短期間使用に留める)
6.その他(漢方薬など)

2:アレルゲン免疫療法

適応として、食物やペット、ソバガラ枕など抗原除去が可能な患者さんは対象としないことがほぼ一致した見解ですが、薬物療法無効例にのみ実施するべきか、有効例も含めるべきか議論があります。その目的は薬物療法と異なり、長期寛解にあります。患者さんの年齢、重症度の効果の関係、抗原の種類と精製法、投与ルートについても検討の余地が少なくありません。要するに、まだ治療法として一般的ではないようです。

1.皮下免疫療法(SCIT)

皮下注射によるアレルゲン免疫療法ですが、慣習的な部分が多いです。
治療期間は3年以上とします。

2.舌下免疫療法(SLIT)

2014年よりスギ花粉症に対し、2015年よりダニ通年性アレルギー性鼻炎に対し、保険適応になりました。局所の副作用は皮下免疫療法より多いですが、全身性の副作用は皮下免疫療法より少なく、安全性は高いとされています。
治療期間は約2年で、毎日欠かさず薬物投与を実施しなければならないので、患者さんにとっては非常に根気がいる治療法です。